五重塔に代表される日本の伝統建築様式である多重塔建築。 松井建設は平成11年「多重塔の建築方法及びその心柱構造体」(以下「心柱構法」)の特許を取得しました。 ここでは、その「心柱構造体」の技術を紹介します。
「心柱構法」を採用した多重塔は在来の木造建築に比べて、心柱を鉄骨造にしたことにより耐震性・耐風性が優れ、 また、外見的に木造の質感を全く損ねていない点は特筆されます。
多重塔の建築方法及びその心柱構造
■在来工法の問題点と解決法
- 構造解析が非常に困難。
- 地上から最上層まで一体となった鉄骨造の心柱構造体が、多重塔を支持する耐力構造となるため構造解析が明解かつ容易になります。
- 暴風時の吹き上げに対する抵抗力の小ささ。
- 心柱構造体に取り付けられた横梁と架橋部材に木造の垂木等の部材を固定支持できるため、強度が強く暴風時の抵抗力が増大する。
- 相輪心材の材料選定が困難。
- 相輪心材は鉄骨造であり心柱構造体に結合しています。
- 塔の大きさによっては材料の調達が困難。
- 現在では部材断面の大きい建築用木材を入手するのが困難になっており、構造体を鉄骨造にしたことでその問題はなくなり、自然環境の保護にもつながっています。
■心柱構法の効果
- 構造解析が明確かつ容易になります。
- 材料の選定及び架構を容易に変更できます。
- 構造体は鉄骨造であるが、外観は木造建築の質感の良さを出すことができます。
- 心柱構造体により暴風時の耐力を向上させることができます。
- 各層毎に荷重を分散させることにより、初層の沈下量を小さくできます。
- 初層を4本柱とすることにより初層内のスペースを広く利用することができます。